新たなリチウムイオン電池の創出に向け
地道に試作・分析・検証を繰り返す
富士研究所
Y.M
2014年入社
※所属は取材当時
これまでの経歴 CAREER
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2012
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名古屋大学大学院 工学研究科に進学
高校時代に化学に興味を抱いたため、知見を深めたいと工学部に進学。そのまま大学院に進み、まだ世の中で製品化されていない素材を対象に研究活動に従事した
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2014
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東海カーボンに入社
大学・大学院で培ってきた化学の知識を活かしたいと考え、就職活動では素材メーカーを中心にまわる。面接でもっとも好印象だったことから、東海カーボンへの入社を決意
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2014
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富士研究所に配属
リチウムイオン電池用の新たな材料の研究開発を担当。電池の性能向上を実現させるべく、新規材料の開発を目指し、試作品の製造やデータ測定、検証などに従事
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2019
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京都大学に駐在
富士研究所所属のまま京都大学の研究室に駐在。各種実験や研究を通じて、材料や電気化学などについて知見を深める
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2021
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富士研究所に戻り現在に至る
インタビュー INTERVIEW
学生時代について
化学に惹かれて大学院まで進学
未知の技術を扱う醍醐味を知る
高校時代の得意科目が化学だったことから興味を深め、知識を究めたいと思って工学部に進学しました。卒業と同時に大学院に進み、炭化ケイ素の熱分解によるグラフェンの作製法について研究していました。まだ世の中に広まっていませんが、半導体技術などに応用できる可能性がある技術です。未知のジャンルを切り拓き、突き詰めていく醍醐味を知りました。
東海カーボンを選んだ理由
「化学分野の研究職」が活動の軸
採用担当に感銘を受け入社を決意
就職活動に臨む際は、これまで培った化学の知識を活かせる研究職に就けることを条件に企業をまわっていました。自分の考えを言葉にして相手に伝えることが苦手なタイプだったので、面接は苦戦続きでしたね(笑)。そんななか、東海カーボンの採用担当は、私のつたない話にも熱心に耳を傾け、理解しようと努めてくださいました。このような人たちと一緒に働けるなら心強いと思い、入社を決意しました。
現在の仕事内容
電池の高性能化を目指して
新たな材料の研究開発に従事
スマートフォンやノートPC、電気自動車などに使用されているリチウムイオン電池の高性能化を目指し、電池に用いる新たな材料の研究開発に取り組んでいます。どのような材料設計をすれば特性向上につながるのかという仮説を立てて試作品をつくり、そこから得られる計測データをもとに次なる課題を見出すというプロセスを繰り返します。
仕事のやりがい
未知の領域への挑戦自体がやりがい
成果が出なくても意欲や興味は尽きない
未知の領域を対象に、最前線で接することができていること自体にやりがいを感じますね。試行錯誤の末に想定通りの実験結果を得られれば達成感がありますし、逆に想定通りの結果を得られない場合でも、その原因を追究して解決法を探るプロセスには好奇心を刺激されます。成否を問わず、常に関心をもって取り組めるのは、研究職ならではの喜びです。
仕事で大事にしていること
些細な要因でデータが変動するので
計測のプロセスや回数にも注意が必要
試作品のデータを取る際は電気計測を実施しますが、計測値は些細なことで大きく変動します。特に求めている特性を得られなかった場合、計測結果ばかりに着目してしまうと、次に試してみるべき方向性を見誤るおそれがあるのです。そこで、実験や計測のプロセスも検証すること、回数を重ねて「普通の状態」がどこにあるのか見定めることを大切にしています。
入社して一番成長した経験
指定に従い機械的に分析するのではなく
より適した方法を探る視点を得られた
実務のなかでは、社内の各事業所から材料や製品の分析を依頼されることもあります。若手のうちは指定された方法で対応していましたが、入社4年目に同様の依頼を受けた際、分析の目的や、指定の分析法を選んだ理由などについて確認してみたのです。すると、より適したアプローチがあることに気づき、こちらから進言して受け入れてもらいました。機械的に作業するのではなく、有用なアドバイスをできるようになったことで、成長を実感できました。
東海カーボンを一言で表すと
多様なモノづくりに活用されるカーボンを
安定的に提供することで各産業を支える
私から見た東海カーボンは「縁の下の力持ち」です。私たちが供給しているカーボン製品は、身近なところから専門性の高い領域まで、実に様々な最終製品に姿を変えて活用されています。私たちが製品を安定供給し続けることは、多種多様な産業や経済活動、ひいては人々の日常生活にとって不可欠。世の中を広く支えているという意味で、この表現がぴったりだと思いますね。
同僚の特徴
異なる意見に直面しても真摯に耳を傾け
自身は根拠を示して論理的に説明する
誠実で穏やかな人が多いですね。実務では、求めるべき特性やそのアプローチ法、計測データの解釈などについて議論を重ねますが、当然、自身と異なる考え方や価値観と直面することも数多くあります。それでも、誰もが相手の話には真摯に耳を傾けますし、自身が意見するときにはきちんと根拠を示しながら論理的に説明します。特に冷静さや客観性が求められる研究職には大切なことだと思います。
今後の挑戦
目指すは各装置に精通した分析のプロ
そのうえで新製品開発を実現させたい
実務を通じて扱っている実験装置・分析装置は、全体のなかのごく一部です。分析の対象や目的によって適した装置は変わってきますから、直接関わりのない装置についても理解を広げ、分析のオーソリティーになることが目下の目標です。また、せっかく研究開発に携わっている以上、いつかは新たな事業として確立するような製品開発を実現させたいと思っています。
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製造課(設備)
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