等方性黒鉛
炭素製品のユニークな特徴
- 高温での強度が高くなります。
- 熱膨張が小さく、耐熱衝撃性に優れています。
- 熱・電気をよく伝えます。
- 化学的に安定で、耐薬品性があります。
- 自己潤滑性を持っています。
- 加工性があります。
しかし炭素製品はある温度(大気中では炭素質は350℃程度、黒鉛は450℃程度)以上では酸化が始まります。また、機械的強度は金属より低いのでご仕様にあたりご留意ください。
1.機械的強度と温度の関係

黒鉛の機械的強度は温度上昇と共に増大し2500℃では室温の約2倍になります。また、引っぱり強さ・圧縮強さはほぼ次の式で表せます。
引っぱり強さ=0.5×曲げ強さ
圧縮強さ=2×曲げ強さ

熱伝導度は室温で銅の1/3、アルミの1/2、鋳鉄の2倍と高い値を示します。
2.熱膨張係数

熱膨張は金属材料等に比べ低い値を示します。これが黒鉛の優れた耐熱衝撃性を示す理由です。なお、耐熱衝撃性(R)は次の式で表せます。
R=K・S/α・E
K:熱伝導度(kcal/m・Hr・℃)
S:引っぱり強さ(kgf/cm2)
α:熱膨張係数(1/℃)
E:ヤング率(kgf/mm2)
3.固有抵抗と温度の関係

固有抵抗は400〜600℃まで減少しますが、これを超えると増加します。
なお、黒鉛の固有抵抗は原料、製造方法で変わります。
4.黒鉛の反応性
黒鉛は常温では化学的に安定な物質で大部分の酸やアルカリに耐え、また、ガラス・石英及びほとんどの溶融金属と反応しません。しかし、濃硝酸等の強酸化性を持つ物質や、KOH等の層間化合物を作るものと反応します。また、高温では水素・窒素・アルミ・ボロン等と反応します。
| 雰囲気又は反応対象物 | 反応温度(℃) | 反応生成物 |
|---|---|---|
| 大気中 | 400 | 酸化 |
| 水蒸気中 | 700 | 酸化 |
| 水素ガス中 | 1,100 | CH4ガス |
| 真空中 | 2,200 | 気化 |
| 窒素ガス中 | 2,500 | C2N2 |
| Al | 800 | Al4C3 |
| B | 1,600 | B4C |
| Fe | 600-800 | Fe3C |
| W | 1,400 | W2C,WC(水素中) |
(Cu、Mg、Pb及びSnとは反応しない)